木の詩(うた)

​店主:藤澤 敏郎

​​木の詩(うた)について

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木の詩​(うた)

​店主:藤澤 敏郎

木の食器を通して温もりを届けております

こんにちは、藤澤敏郎と申します。 
広島県にある世界遺産厳島神社で有名な宮島の対岸、地御前(じごぜん)にて工房兼店舗を構えております。

 

 私は社会人を経て長年教員生活(小学校教員)をし、学びの場で多くの子供達と共に育ってきました。

 

そんな中、今から30年ぐらい前。妻が体調を崩しました。 
何とか元気になってもらいたいので、体に良い自然農法の野菜を食べさせたいと思い、田舎で畑を借り野菜を育てておりました。

 

そんな中、畑近くの製材所の男性から『木の茶椀でご飯を食べたことあるか?』

と言われ近くで工房を開いている宮島ろくろの師匠を紹介していただきました。

 

教員生活を続けながら休みの日に工房に通い木の器の世界に出会い魅了されていきました。

一般的に木の工芸品と言いますと、いわゆる銘木と言われる木を使用する事が通例ですが

私は子供達と触れ合う中でもその点に常に疑問を持っていました。 
一般的に大多数に良いとされる基準に何の疑いを持たず従う事だけが真実なのか・・・。

たとえ誰かの思いがこもった木でもそれが評価されない、雑木であれば無価値なのか。そうでは無いはずなのです。

業界の通例は置いておいてどんな木とも一度はしっかり向き合うことが、次第に楽しみになってきました。

 

通常一般的に出回っている木の工芸品はいわゆる銘木を扱います。高級品として扱われ愛好家からは根強い人気があります。

しかし、本来の食器として考えた時に、多くの食卓でそれら銘木の食器が利用されているでしょうか?

もちろん利便性により使い分ける事も大切ですが、安心安全や温もり、繋がりの大切さが再度見直される時代になってきています。

通常使用されるいわゆる銘木は5〜6種類ですが一般的に誰にでも馴染みのある、見聞きした事のある木を器にする事への挑戦を始めました。

りんごやみかん、梅、柿さらに"庭木"までも。

最初は大苦戦をしました。ですが沢山の失敗を重ねながら向き合い続ける中でこんな事もありました。

"おばあちゃんが育てた思い入れのある庭木なんだけど、どうしても事情で切らないといけない・・・。"

切って始末してしまえばそれまでですが、スプーンにすれば生活にずっと寄り添ってくれます。

 

またこんな事もありました。お寺の本堂を改装する際の松の柱・・。どうにか食器になりませんか。というご依頼。

松はヤニが出て食器にするには一筋縄ではいきません。ですが、だからと言って向き合わないという選択肢は私にはありませんでした。

実際3年ほどかけて、松ヤニを抑えこむ塗料・塗装方法を教えて頂きお寺さん、檀家さんへ食器として命を宿し御返し致しました。

 

このように木と共に育ち、出会いと命を重ねていく事に喜びを感じ、退職を機に2009年4月に工房兼販売所を構えました。

みなさまの生活の一部に温もりを届ける事ができれば幸いです。